●日本の自然観想に生きる「美への（知性的関心）」

日本画家　今野 忠一
日本美術院常務理事・同人

風景を描くとき、抒情的なものと風景をいかに造形的なものに結びつけていくか。日本の風景に愛情を感じているが、それをはっきりした形に、美しいものに表現してゆき、できれば普遍的なものへと昇華していけたらと考えてきました。自然のもつ力、美しさを掴むのはなかなか難しい。掴める様で、近づくとまた遠くにいってしまう。この遠大なものを、いつか掴めると信じて追い続けたいと思います。
参考資料：「今野 忠一画集」1992年

● 年譜

• 1915 山形県天童市に生まれる。
• 1933 児玉希望塾に入門本格的な日本画家への道が始まる。
• 1940 郷倉千靭主宰の草樹社に入塾し、郷倉千靭に師事する。日本美術院再興第27回展に「菜園」を初出品、初入選する。1948第33回院展に「葡萄園」を出品入選、日本美術院院友に推挙される、以後毎回出品。
• 1954 第39回院展に「晩彩」を出品、奨励賞、白寿賞を受賞。1955第40回院展に「暮秋」を出品、日本美術院賞大観賞を受賞。1958第43回院展に「老樹」を出品、日本美術院賞大観賞を受賞、文部大臣賞を受賞する。1959第44回院展に「吾妻早春」を出品、奨励賞、白寿賞を受賞、日本美術院同人に推挙される。。
• 1961 第46回院展に「照壁」を出品、上野松坂屋で個展「今野忠一日本画展」開催。1965跡見学園短期大学講師となる、第50回院展「源々」を出品。
• 1970 山形美術博物館で「今野忠一画業展」が開催、第55回院展に「宿鳥」を出品。1974愛知県立美術大学非常勤講師となる、第59回院展に「廃鉱」を出品。1975紺綬褒章を受章、日本美術院評議員に選任される、第60回院展に「白い浜」を出品。1977第62回院展に「妙義」を出品し、内閣総理大臣賞を受賞。
• 1987 日本橋高島屋で「自然観想に生きる今野忠一展」が開催される。第72回院展に「桜島」を出品。勲四等旭日小綬章受章。
• 1988 日本美術院理事に選任される。第73回院展に「山湖浅春」を出品。1990第75回院展に「北嶂残雪」を出品、天童市美術館で「今野忠一とその周辺展」が開催される、天童市名誉市民に推挙される。。 　　　　
• 1992 日本美術院評議員理事、東北芸術工科大学日本画科主任教授、第77回院展に「北ノ島」を出品。